しまなみレモンの果実

ハウスなどの施設栽培ではなく露地で作っていますので、自然の恩恵を受ける一方で自然からの被害も被ります。
枯れ枝や病気になった枝葉の除去といった畑の中のことだけでなく、病気の元を断つために隣接する雑木林の手入れも欠かせません。そうやって手を入れ、必要な場合には有機JAS規格の農薬も使いますが、それだけで完全に防げるものではなく、菌やダニなどが引き起こす黒点病や灰色かび病、かいよう病やダニ被害など、何らかの病害はあります。
ただ、病害といっても中身の果実に問題があることはほとんどなく、見てくれが悪くなるだけで味に影響がでることはあまりありません。
夏の日差しによる日焼け、台風による風スレ傷、冷害による霜当たりなども、見栄えを損ねる原因になります。
有機・無農薬栽培の農産物を「見た目が悪いほうが安全」と言ってくださるお客さんもたくさんいらっしゃいますが、その言葉に甘えず、毎日畑に足を運び、自然と向き合い、安心して食べられる美味しい柑橘を作るのために、出来る限り手を尽くしています。
それでも当たり年があったり、裏や表年があったり、降ってほしい時に雨が降らなかったり、どれだけ手を尽くしても自然が相手なもので、最終的な出来栄えはお天道様のご機嫌次第です。

A級 / わけあり / 規格外

有機栽培で柑橘を作ると、スーパーや百貨店に並んでいるような、傷のないピカピカの果実に仕上がる率は低いです。毎月毎月、殺虫剤と殺菌剤で樹と果実をコーティングしないとそのようなキズ一つない綺麗さはだせません。

A級

しまなみレモンの柑橘には、「A級」と商品名につけているものがありますが、傷一つないということではありません。黒点が多少あったり、病害虫被害を少し受けたものでも、料理に使って見た目を損なわない程度のものを「A級」にしています。

わけあり

しまなみレモンの栽培方法では生産量の4割ほどがこれに当たります。訳ありと言っても、自然な栽培方法ではこの品質のものが相当量出ることが当たり前です。病害虫被害に遭ったものや、サイズが大き過ぎたり小さ過ぎたりしたもの、「A級」にギリギリなれなかったものから「規格外」にするほどのレベルでないもので、果皮が半分以上使えるものを「わけあり」にしています。
病害虫被害を、どの程度までが許容範囲か、定義づけることはとても難しいです。個人的にはどの果実も平等に頑張って育ててきたので、味ではなく見た目や大きさの問題で格付けすることは心苦しいものです。食べる人、調理する人のことを考えながら、「この程度なら問題なく使える」と思えるものを選別し、箱詰めしています。

規格外

果皮が病害虫被害に遭い、皮が料理などには使えず、サイズも極端に大きいものや小さいものがこれに当たります。農家ではこの品質を「ジュース」と呼び、果汁用として出荷しています。皮は使わず、果汁のみを使われる方におすすめです。